東近江市愛東町くらしの会議で「お出かけサポート」のお話をしてきました。

2月20日、東近江市愛東支所で愛東暮らしの会議研修会「お出かけ支援を考える会」が開催され、たすけあい高島で取り組んでいる「お出かけサポート活動」について報告させていただきました。

当日は、市・包括支援センターの方や、社会福祉協議会、地元の社会福祉法人やNPOの職員の方々、住民福祉協議会などの住民の方20名を超える方が参集されていました。

愛東町でも、高齢者の方を中心に「お出かけ」に困っておられる方は多いようで、お出かけ支援について、行政や社協・各事業所でどんな支援ができるかを相談する場でした。中には、お子さんの通学についても困っているという声も聞かれました。

たすけあい高島で、昨年5月から始めた「お出かけサポート」について、45分説明させていただき、そのあと、参加者のディスカッションがありました。すでに、2か所の事業所(NPO加楽・ほんなら堂)では、送迎用車両を使って外出支援を始めておられましたが、今回、そういう取り組みをさらに広げられないかというテーマで、話し合いが行われました。

法人車両の活用では、活用できる時間の制限や保険、事故リスクへの対応、運用費用の負担の問題など、様々な問題や不安があることが、多くの発言の中で理解できました。また、制度上の制約(介護保険などの公的サービスの活用)の問題も大きな壁になっていることも判りました。

そんな中で、車両をリースや個人からの譲渡等、可能な限りの方策をもって確保できるのではないかということや、車両情報の一元化でボランティアがすぐに使える車両を判りやすくしておくこと、高島のような方式で住民ボランティアを確保すること、運用にあたって必要なルールの検討を進めてはどうか等、前向きなご意見も多数聞かれ、こうした話し合いを継続することが確認されました。

講師として参加させていただき、こちらも大変勉強になりました。

ディスカッションの最後に「逆転の発想」のお話をさせていただきました。

ちょっと補足すると、「移送支援」というテーマは、ボランティア・支援側の発想なので、そのために必要な「人・モノ・カネ」の条件整備とリスク対応の課題に行きついてしまうわけです。逆転させるには「利用者(支援される側)」の発想にしようということです。すると、「外出にお手伝いをしてほしい」「一人では外出できない・不安」が根本にあるのではないか、ならば、一緒に外出(付き添う)することで希望は叶うはずで、その方法の一つに「車両を使う」ことが生まれるだけではないでしょうか?たすけあい高島では、「お出かけサポート」という名称にしたのも、そこが出発点だったからです。移動(移送される)ことが目的ではないはずで、「移送支援」が活動目的ではないわけです。

する側とされる側という視点の入れ替えだけでも随分物事は違って見えることがあります。このことを皆さんに一番お伝えしたかったことなのです。

たすけあい高島で取り組んでいる「お出かけサポート」はまだまだ改善の余地があります。個人車両を使うことに抵抗のある人も多く、事故リスク対策も十分ではありません(幸い事故は起きていませんが)。困ったときにすぐに対応できるほどの余力もありません。

市内のNPOや福祉法人との連携もこれからの課題です。その点、愛東町では、事業者側でこのような会議が開かれていることは羨ましい限りです。今後の取り組みに大いに期待し、その成果を学びに行きたいと思いました。